【プロが解説】コーティング車でも安心!洗車機選びと傷つけない洗い方
「せっかく愛車にボディコーティングを施工したのに、洗車機で洗って傷がついたらどうしよう…」
そう不安に思っているコーティング車のオーナー様も多いのではないでしょうか。
インターネットで検索すると、「コーティング車は洗車機NG」という意見も散見され、ますます迷ってしまうかもしれません。しかし、結論から申し上げると、ボディコーティングを施工した車でも、条件を守れば洗車機で洗車することは可能です。
むしろ、忙しい現代人にとって、手軽に車を綺麗にできる洗車機は魅力的な選択肢ですよね。
この記事では、コーティング車のオーナー様が抱える洗車機利用への不安を解消すべく、以下の内容を詳しく解説していきます。
- コーティング車が洗車機でダメージを受ける可能性とその理由
- 洗車機を使う前に確認すべき3つのポイント
- コーティング車におすすめの洗車機コースと賢い使い方
- 洗車機以外でコーティング車を綺麗に保つ方法
この記事を読めば、ご自身のコーティング車を安心して洗車機で綺麗に保つための具体的な知識と、より賢い洗車方法が身につくはずです。ぜひ最後までお読みください。
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コーティング車が洗車機でダメージを受ける可能性とその理由
まず、なぜコーティング車で洗車機を使うことに懸念の声が上がるのか、その理由を理解しておきましょう。
1. ブラシによる摩擦ダメージ
多くの洗車機では、車体を直接洗い上げるために回転するブラシが使用されています。このブラシが、コーティング層に微細な傷(洗車傷)をつけてしまう可能性があります。特に、コーティング施工直後で定着が不十分な場合や、コーティング層自体が柔らかいタイプの場合、あるいはブラシの素材や劣化具合によっては、ダメージのリスクが高まります。
2. 洗剤の成分による影響
洗車機で使用される洗剤は、油汚れや泥汚れを強力に落とすために、アルカリ性や酸性の強いものが使われることがあります。コーティング層の種類によっては、これらの強力な洗剤がコーティングの性能を低下させたり、最悪の場合、剥がれの原因になったりする可能性も否定できません。
3. 水圧による剥離のリスク
高圧の水で汚れを吹き飛ばすタイプの洗車機もあります。コーティング層が劣化していたり、施工不良があったりする場合、強い水圧がコーティング層とボディの間に浸入し、剥離を引き起こすリスクも考えられます。
4. 異物混入による傷
洗車機に持ち込まれる車には、砂や泥、小石などが付着していることがあります。これらの異物がブラシに混ざり込み、回転することでボディに擦りつけられ、傷の原因となることがあります。
これらのリスクを理解した上で、後述する「確認すべきポイント」と「賢い使い方」を実践することで、ダメージのリスクを最小限に抑えることができるのです。
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洗車機を使う前に確認すべき3つのポイント
コーティング車を洗車機で洗う前に、必ず以下の3つのポイントを確認しましょう。これらを怠ると、せっかくのコーティングにダメージを与えてしまう可能性があります。
1. コーティングの施工時期と状態の確認
- 施工時期: ボディコーティングは、施工後すぐに完全な性能を発揮するわけではありません。種類にもよりますが、数日から数週間かけて硬化・定着していくものが多いです。施工直後(特に1週間以内)は、まだコーティング層がデリケートな状態であるため、洗車機での洗車は避けるべきです。 コーティングを施工した業者に、洗車機利用が可能になるまでの期間を確認しておきましょう。
- コーティングの種類: シリカ系、フッ素系、ガラス系、セラミック系など、コーティングの種類によって耐久性や耐薬品性は異なります。特に注意が必要なのは、フッ素系コーティングです。比較的柔らかく、洗車機のブラシによる摩擦に弱い傾向があります。ガラスコーティングやセラミックコーティングは硬度が高く、洗車機にも比較的強いですが、過信は禁物です。
- コーティングの状態: コーティング層に劣化や剥がれが見られる場合、洗車機でのダメージリスクは格段に高まります。定期的なメンテナンスでコーティングの状態を良好に保つことが重要です。
2. 洗車機の「種類」と「コース」の選択
- ブラシの種類: 最近の洗車機には、車体に優しい「布製ブラシ」や「泡洗車」を採用しているものがあります。車体に直接触れるブラシが布製であるか、またはブラシレス洗車機を選ぶのが理想的です。 頑固なブラシが使用されている洗車機は避けるようにしましょう。最新の洗車機には、「ソフトブラシ」と呼ばれる、より柔らかい素材を使用したブラシを採用しているものもあります。これらは従来のブラシよりも傷つきにくいですが、それでも完全に傷がつかないわけではありません。
- 洗剤の種類: 強力なアルカリ性や酸性の洗剤を使用するコースは避け、中性洗剤を使用するコースを選びましょう。 洗車機の受付や説明書きで、使用される洗剤について確認できる場合があります。
- 水圧: 高圧洗浄機能が強すぎるコースは、コーティング層に負担をかける可能性があります。標準的な水圧で洗車できるコースを選択するのが無難です。
3. 車体に付着した「汚れ」の事前確認と除去
洗車機に入れる前に、ボディに大きな泥や砂、鳥のフンなどが付着していないか確認しましょう。 これらが洗車機に持ち込まれると、ブラシとの摩擦で傷の原因となります。
- 大きな泥や砂: 事前に水で流せる場所であれば、軽く洗い流しておくとより安心です。
- 鳥のフンや虫の死骸: これらは時間とともにコーティングを劣化させる原因にもなります。洗車機に入れる前に、濡らしたタオルなどで優しく拭き取っておくのがおすすめです。
これらの3つのポイントを事前に確認することで、洗車機利用のリスクを大幅に減らすことができます。
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コーティング車におすすめの洗車機コースと賢い使い方
確認すべきポイントを踏まえた上で、コーティング車におすすめの洗車機コースと、さらに賢く利用するための使い方をご紹介します。
おすすめの洗車機コース
- 「泡洗車」または「水洗い」コース:
- 特徴: ブラシが直接ボディに触れる前に、たっぷりの泡で汚れを浮かせてから洗い流す、または水のみで汚れを落とすコースです。
- メリット: ブラシによる摩擦ダメージを最小限に抑えることができます。特に、軽度の汚れであればこのコースで十分綺麗になります。
- 注意点: 頑固な汚れには効果が薄い場合があります。
- 「布製ブラシ」+「中性洗剤」コース:
- 特徴: 車体に優しい布製ブラシを使用し、中性洗剤で洗車するコースです。
- メリット: 多くの洗車機で採用されており、比較的安全に利用できます。
- 注意点: ブラシの劣化具合によっては、微細な傷がつく可能性もゼロではありません。
賢い洗車機の使い方
- 「洗車前」のひと手間:
- 事前水洗い: 可能であれば、洗車機に入れる前に、ホースなどでボディ全体の砂や泥を洗い流しておきましょう。これにより、洗車機内のブラシに異物が混入するリスクを減らせます。
- 拭き取り: 鳥のフンや虫の死骸などは、洗車機に入れる前に、濡らした柔らかい布で優しく拭き取っておきましょう。
- 「洗車中」の注意点:
- 洗車機の選択: 上記で解説した、車体に優しいブラシ(布製)や中性洗剤を使用している洗車機を選びましょう。
- オプションの選択: ワックスや撥水コーティングを上乗せするオプションは、コーティングの種類によっては相性が悪い場合があります。基本的には、純粋な洗車のみのコースを選ぶのが最も安全です。
- 「洗車後」の仕上げ:
- 拭き取り: 洗車機から出た後は、すぐに乾いた柔らかいマイクロファイバークロスなどで水分を拭き取りましょう。水滴が乾くとシミの原因になることがあります。
- 乾燥機: 洗車機によっては、強力な乾燥機が備わっています。過度な熱風や水圧はコーティングに影響を与える可能性もあるため、自然乾燥に近い状態になるよう、乾燥機の時間を短めに設定できる場合は調整しましょう。
- 「頻度」の考慮:
- 過度な洗車は避ける: コーティング車であっても、頻繁すぎる洗車はコーティング層に負担をかける可能性があります。汚れが気になったタイミングで、適切な方法で洗車するようにしましょう。
これらの賢い使い方を実践することで、洗車機を上手に活用し、コーティング車の美しさを維持することができます。
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洗車機以外でコーティング車を綺麗に保つ方法
洗車機が万能ではないこと、そしてリスクを理解した上で、洗車機以外でコーティング車を綺麗に保つための方法も知っておくことは非常に重要です。ご自身のライフスタイルや、車の汚れ具合に合わせて、最適な方法を選びましょう。
1. 手洗い洗車
最も確実で、コーティング層に優しい洗車方法です。
- メリット:
- ダメージリスクが低い: 自分の手で優しく洗うため、洗車傷がつくリスクを最小限に抑えられます。
- 汚れの確認と除去がしやすい: 細部まで確認しながら洗えるため、鳥のフンや虫の死骸なども確実に除去できます。
- 洗剤や道具を選べる: コーティングに優しい中性洗剤や、柔らかい洗車ミット、マイクロファイバークロスなどを自由に選べます。
- デメリット:
- 手間と時間がかかる: 洗車道具を準備し、洗車スペースを確保し、実際に洗車するのに時間がかかります。
- 場所の確保: 自宅に洗車できるスペースがない場合、コイン洗車場などを利用する必要があります。
- ポイント:
- 「二度洗い」でさらに効果アップ: まずは水で砂や泥を流し、その後、洗剤をつけたミットで優しく洗い、最後にしっかりとすすぎます。
- 「すすぎ」はたっぷりと: 洗剤が残らないように、たっぷりの水で丁寧にすすぎましょう。
- 「拭き取り」はマイクロファイバークロスで: 吸水性の高いマイクロファイバークロスで、優しく水分を拭き取ります。
2. コイン洗車場・セルフ洗車場
手洗い洗車をしたいけれど、自宅にスペースがない場合におすすめです。
- メリット:
- 洗車スペースと道具が揃っている: 水道、高圧洗浄機、場合によっては洗剤なども利用できます。
- 比較的安価: 自宅で洗車するよりは費用がかかるかもしれませんが、プロに依頼するよりは安価です。
- デメリット:
- 混雑することがある: 人気のある時間帯は混雑し、待ち時間が発生することがあります。
- 道具の持参が必要な場合も: 洗車ミットやクロスなどは自分で持参する必要があります。
- ポイント:
- 高圧洗浄機の使い方に注意: コーティング層に直接、強い水圧を長時間当てるのは避けましょう。
- 洗剤の選択: コイン洗車場で提供される洗剤がコーティングに合っているか確認できない場合は、持参した中性洗剤を使用するのも手です。
3. プロのカーコーティング専門店・洗車サービス
最も手間がかからず、高品質な仕上がりが期待できます。
- メリット:
- プロの技術で安心・安全: コーティングの知識が豊富なプロが、車体に最適な方法で洗車してくれます。
- 高品質な仕上がり: 細部まで丁寧に仕上げてくれるため、美しい状態を長く保てます。
- コーティングのメンテナンスも同時に: 定期的なメンテナンスを依頼することで、コーティングの効果を最大限に引き出すことができます。
- デメリット:
- 費用がかかる: 他の方法に比べて費用は高くなります。
- ポイント:
- 信頼できる店舗を選ぶ: 口コミや評判を確認し、信頼できる専門店を選びましょう。例えば、キーパーラボ (<無効な URL を削除しました> や Dr.Drive (特定の店舗ではなく、ENEOS系列の洗車サービス) など、信頼性の高いサービスを選ぶことが重要です。
- サービス内容を確認する: どのような洗車方法で、どのような洗剤を使用するのか、事前に確認しておくと安心です。
4. 撥水・防汚コーティング剤の活用
洗車後の仕上げとして、撥水性や防汚性に優れたコーティング剤を使用することも、車を綺麗に保つ助けになります。
- メリット:
- 汚れが付きにくくなる: 撥水効果により、雨染みや泥跳ねがボディに付着しにくくなります。
- 洗車の手間が減る: 汚れが付きにくくなるため、洗車頻度を減らすことができます。
- 手軽に施工できる: スプレータイプのものなど、自分で手軽に施工できる製品も多くあります。
- デメリット:
- コーティングとは別物: 根本的なコーティングの保護性能を高めるものではありません。
- ポイント:
- コーティングとの相性を確認: 使用するコーティング剤が、既存のボディコーティングと相性が悪いものでないか確認しましょう。例えば、シュアラスター ゼロドロップのような製品は、多くのコーティングに対応していますが、念のため確認が必要です。
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まとめ
「コーティング車は洗車機を使っても大丈夫?」という疑問に対し、「条件付きでOK」 であることをご理解いただけたかと思います。
最も重要なことは、洗車機選びを慎重に行うこと、そして洗車前に車体の汚れを落としておくことです。
洗車機を利用する際は、以下の点を必ず守りましょう。
- コーティングの施工時期と状態を確認する。特にフッ素系コーティングは注意!
- 車体に優しいブラシ(布製、ソフトブラシ)や中性洗剤を使用する洗車機を選ぶ。
- 洗車機に入れる前に、大きな汚れは可能な限り除去しておく。
- 洗車機後は、速やかに水分を拭き取る。
これらの注意点を守ることで、洗車機を上手に活用し、愛車のコーティングを維持しながら、手軽に綺麗にすることができます。
しかし、最も安心できるのはやはり手洗い洗車や、プロの洗車サービスを利用することです。ご自身のライフスタイルや、車の汚れ具合、そして何よりも「愛車を大切にしたい」という気持ちに合わせて、最適な洗車方法を選んでください。
この記事が、あなたのコーティング車の美しさを保つための一助となれば幸いです。
